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<詳報記事>TSMCの技術流出で浮上した“東京エレクトロンやラピダスへの疑い”は妥当ではない。流出の背景に現場の慣行か

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技術流出が起きたとされるTSMC。セキュリティーに厳しいとされる同社でいったい何が(写真:An Rong Xu/The New York Times)

台湾の検察当局は8月5日、半導体大手TSMCの企業秘密を盗んだ疑いで6人を逮捕した。日本の半導体製造装置大手・東京エレクトロンの現地子会社元社員が逮捕されたこともあり、このニュースは日本でも驚きをもって受け取られている。

しかし、台湾のメディアから流れてくる続報には、事実に基づかない臆測を含む内容も散見される。今回はそれらの内容に関して8月8日時点での情報や半導体エンジニアとして活動する筆者の知見に基づき信憑性を解説したい。

情報が映ったPC画面をスマホで撮影

報道によれば台湾当局はTSMCの元社員を含めて9人を取り調べ、6人を逮捕し、そのうち3人はその後保釈された。現在も勾留されている3人のうち1人は、8年近くTSMCに在職し、退職後は東京エレクトロンの現地子会社に雇用されていた。同社はこの社員を懲戒解雇していたと事件発覚後に発表している。

機密情報を不正に取得したとされる3人は、TSMC在職時に研究開発部門の所属ではなかったそうだ。アクセスできる情報レベルも一般的なものだったと報道されている。

情報を不正に取得した方法は、自宅などでリモートアクセスしたTSMCの社内ネットワークから該当情報をノートパソコンに表示して、画面をスマートフォンで撮影したとされる。不正取得した情報は最先端の2nm(ナノメートル)ノードプロセスに関するものだという。

台湾現地の一部報道では、この不正取得した機密情報が日本に流されたとしている。東京エレクトロンを通じて日本で先端半導体製造を手がけようとしているラピダスに流れていたのではないかというのだ。

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