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日立製作所 「米IT企業1兆円M&A」成功の舞台裏 売上高わずか1000億円、取締役から相次ぐ批判

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1兆円で買収した米ITが急成長。日立本体の業容も変わりつつある。

米国のグローバルロジック本社の外観
米国のグローバルロジック(GL)本社(写真:日立製作所)

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史上最大の赤字を機に聖域なき改革を徹底。グローバル、デジタル、ガバナンスの面で、もはや“伝統的日本企業”とは呼べないほどの変貌を遂げた日立製作所。
日本企業は日立から何を学ぶべきか。『週刊東洋経済』3月9日号の第1特集は「シン・日立に学べ」
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「売り上げがたった1000億円台。そんな会社をなぜ1兆円で買うのか」──。

2021年1月。提案した買収案件が、取締役会でそんな批判の数々を浴びた後、東京・丸の内の日立製作所の本社ビル27階を後にした担当常務の德永俊昭(現副社長)は、焦燥感に駆られていた。

そのとき諮った買収対象はグローバルロジック(GL)。米国の新興ITサービス企業である。

GLは親会社の投資ファンドなどが売却の意向を示し、IPO(新規株式公開)をメインに準備を進めていた。

13人中10人を社外取締役が占める取締役会を、あと3カ月以内に説き伏せられなければ、日立による買収の話は流れてしまう。もしそうなれば「ルマーダ」を核とする日立のデジタル戦略も見直しを迫られかねなかった。

周囲の評判は芳しくなかった

IoTプラットフォームと銘打ち、当時社長の東原敏昭(現会長)が16年にぶち上げたルマーダだが、周囲の評判は芳しくなかった。競合の米ゼネラル・エレクトリックや独シーメンスが類似した戦略をすでに発表していたためだ。

ルマーダの生みの親、副社長の小島啓二(現社長)は顧客目線でのサービス展開を構想していたが、肝心なITサービスの企画・立案の力が弱かった。日立はむしろ、顧客の指示に従って、きっちりと造るような開発を得意としていた。

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