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日系自動車【勝ち組】のスズキ、忍び寄る「異変」の兆候、関税影響は軽微も主力のインド、軽に試練

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スズキ初の量販EV(電気自動車)「eビターラ」。今年度中にヨーロッパ、インド、さらに日本に投入する予定(写真:スズキ)

自動車業界の「勝ち組」と見られていたスズキに異変が生じている。

8月5日に発表されたスズキの2025年度第1四半期(2025年4~6月期)決算は、売上高が1兆3978億円(前年同期比4.1%減)、営業利益は1421億円(同9.8%減)と第1四半期として5期ぶりの減収減益に転じた。

とはいっても、他の日系自動車メーカーと比べると業績は堅調だ。

第1四半期の営業利益で比較すると、日産自動車は791億円の赤字(前年同期は9億円)、マツダも461億円の赤字(同503億円)に沈んだ。ホンダは半減、トヨタ自動車でさえ10.9%減益だった。

2025年度の通期予想でも同じことが言える。営業利益でスズキは22.2%減益を予想するが、マツダ(73.1%減益)、SUBARU(50.7%減益)、ホンダ(42.3%減益)、トヨタ(33.3%減益)はより減益率が大きい。日産は通期予想を開示しなかった。

4輪は北米から撤退済みで関税影響は軽微

スズキが底堅い大きな要因はトランプ関税の影響の違いだ。

2025年度の通年でのトランプ関税の影響が、トヨタ(1兆4000億円)を筆頭にホンダ(4500億円)、日産(3000億円)、マツダ(2333億円)、SUBARU(2100億円)と巨額になる中、2012年に北米の4輪販売事業から撤退済みのスズキはわずか400億円(2輪とマリン事業中心)と試算している。

結果、株式市場の評価も高い。スズキのPBR(株価純資産倍率)は1.1倍台。あとはトヨタが約1倍なだけで、他の日系自動車メーカーは0.2~0.8倍台と軒並み解散価値の1倍を割り込んでいる。

ただ、5日の決算会見に臨んだスズキの岡島有孝専務は、険しい表情で「5期ぶりの減益で厳しい決算だった」と総括した。

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