スズキでインド事業を統括する鮎川堅一副社長にインドビジネスのチャンスとリスクを聞いた。
――近年、スズキとの取引拡大を狙ってインドに進出する部品メーカーが急増しています。
進出当時の1980年代はインドで4輪車がほとんど販売されておらず、日本のサプライヤーさんは誰もついてきてくれなかった。トヨタさんやホンダさんが東南アジアに進出したときは、こぞって皆さんついていったが、そこから先のインドはもう地の果てぐらいに思われて・・・・・・。
私がインドに2013年に赴任する前に、たまたまご縁があって部品工業会の方たちとパーティーでお話しする機会があった。そのときに「ぜひ皆さんインド進出を考えてくださいよ」と宣伝したけれど、ほとんどの会社さんが「いや、うちは中国のことで忙しくて」と相手にもされなかった。
そこから10数年、いまは中国で皆さん苦戦されているご事情もあるのだろう。品質や競争力さえあれば「進出はウェルカムですよ」と、申し上げている。
「10億人はまだ手つかず」
――現在、インドの自動車販売台数は421万台(2023年度)と日本を抜いて世界3位の市場になっています。今後の成長性をどう見ますか?
人口が膨大なのに、インド人の自動車保有比率はまだ低い。
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