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「スズキのEVは2周遅れ、それでもやっていける」 インド事業キーマンが語る14億人市場の攻略法

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スズキでインド事業を統括する鮎川堅一副社長にインドビジネスのチャンスとリスクを聞いた。

あゆかわ・けんいち/1980年鈴木自動車工業(現スズキ)入社。海外四輪営業本部長などを経て、2013年マルチ・スズキ・インディア社長(インド駐在)就任。2020年インド自動車工業会(SIAM)会長。現在はスズキ副社長兼グローバル営業統括(写真:編集部撮影)

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世界一の人口を抱え、GDPで世界3位になることが確実視されるインド。日本企業はこの国とどう向き合えばよいのか。本特集では、インドの実情とビジネスのヒントを徹底リポートする。
インドの乗用車市場でシェア4割と圧倒的首位に立つスズキ。一方、近年はインドでもEVシフトが進み始めるなど競争環境も激化している。スズキでインド事業を統括する鮎川堅一副社長にインドビジネスのチャンスとリスクを聞いた。


――近年、スズキとの取引拡大を狙ってインドに進出する部品メーカーが急増しています。

進出当時の1980年代はインドで4輪車がほとんど販売されておらず、日本のサプライヤーさんは誰もついてきてくれなかった。トヨタさんやホンダさんが東南アジアに進出したときは、こぞって皆さんついていったが、そこから先のインドはもう地の果てぐらいに思われて・・・・・・。

私がインドに2013年に赴任する前に、たまたまご縁があって部品工業会の方たちとパーティーでお話しする機会があった。そのときに「ぜひ皆さんインド進出を考えてくださいよ」と宣伝したけれど、ほとんどの会社さんが「いや、うちは中国のことで忙しくて」と相手にもされなかった。

そこから10数年、いまは中国で皆さん苦戦されているご事情もあるのだろう。品質や競争力さえあれば「進出はウェルカムですよ」と、申し上げている。

「10億人はまだ手つかず」

――現在、インドの自動車販売台数は421万台(2023年度)と日本を抜いて世界3位の市場になっています。今後の成長性をどう見ますか?

人口が膨大なのに、インド人の自動車保有比率はまだ低い。

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