
ジャグモハン・チャンドラニ(Jagmohan Chandrani)/江戸川インド人会会長。1952年、インド・コルカタ生まれ。インド・デリー大学卒業後、78年に来日。紅茶の輸入業のほかインドレストランやインド食材店を経営(写真:編集部撮影)
世界一の人口を抱え、GDPで世界3位になることが確実視されるインド。日本企業はこの国とどう向き合えばよいのか。本特集では、インドの実情とビジネスのヒントを徹底リポートする。
在日インド人が多く暮らす東京都江戸川区西葛西で、「リトルインディアの父」と呼ばれるジャグモハン・チャンドラニさん(72)。貿易商として1978年に来日。コンピューターが誤作動を起こす可能性があった2000年問題を機に日本で働くインド人が増加し、彼らの生活を支えてきた。インドとの付き合い方に戸惑う人が多い中、チャンドラニさんに、インドという国の性格や向き合い方について聞いてみた。
──世界がインドの動向に注目するようになりました。
古代インドは世界中に文化的、技術的な影響を及ぼす文明国だった。注目されるのは自然の流れだと思う。
日本とのつながりも奈良時代にまでさかのぼる。東大寺の大仏開眼で導師を務めたのはインド僧の菩提僊那(ぼだいせんな)だった。
「液体になれ」の精神が重要
──世界は西側と東側に分断されていますが、インドはどちら側にも身を委ねません。
それがインド人の考え方。冷戦時にもインドは東側と西側どちらにも寄らなかった。
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