どちらか一方に肩入れせず、積極的中立で攻めていく方策がある。

中国とも西側ともしたたかに貿易をするベトナム
世界一の人口を抱え、GDPで世界3位になることが確実視されるインド。日本企業はこの国とどう向き合えばよいのか。本特集では、インドの実情とビジネスのヒントを徹底リポートする。
日本では地政学的緊張ばかりが強調されて日本企業はすっかり萎縮モードだが、世界では本当にデカップリング(分断)が起きているのだろうか。
グローバルサウスの国々は萎縮していない。東南アジア諸国連合(ASEAN)には米中対立を憂いながら、それを逆手にとって経済成長している国がある。ベトナムとインドネシアを例に挙げたい。
どちらともつながる経済
ベトナムとインドネシアは、北東アジアと東南アジアを含む東アジアの国際的生産ネットワーク(IPNs)への参加ではマレーシアやタイを追う立場にあるが、この10年で大きな変貌を遂げた。
両国の1人当たり所得は2023年にそれぞれ4180米ドルと4870米ドル(世界銀行)で、いずれも45年までの先進国入りを目指している。両国の経済の特徴は、西側諸国とも中国とも密接につながっていることだ。
下図は14年と22年の両国の輸出入額の相手国別構成である。ベトナムのこの8年間における貿易額の増加は目覚ましかった。輸出については西側の比重が高いが、輸入では中国の存在に目がいく。
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