米中対立でインドに製造拠点を置く企業は増えているが、課題も多い。
世界最大の電子機器受託製造(EMS)企業、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は8月14日に決算を発表した。2024年4~6月期決算は増収増益で、減収だった前年と違い好業績だった。が、その明るい報告を会見で説明したのは鴻海トップの劉揚偉董事長(会長)ではなく、彼の部下たちだった。
劉氏は決算説明会をまさかの欠席。これまで劉氏は決算説明会に出て自ら投資家やメディアに説明をしてきただけに驚く声もあった。
鴻海は「海外出張のため」とだけ説明し、詳細を伏せた。彼の居場所は、その数時間後に明らかになる。インドのモディ首相が、劉氏と会談したとX(旧ツイッター)に投稿したのだ(上写真)。
インドに注力する理由
劉氏は翌日に行われたインド独立記念日の式典にも出席した後、インド南部を視察。現地の地方首長との面会をこなしていった。製造業を発展させたいインドにとって鴻海は最重要企業の1つであるが、同社もインドでの発展を目指し、協力関係を深めている。
もともと鴻海は1980年代後半以降、豊富な労働人口を持つ中国での大規模な製造拠点の開設を本格化。日米の電機メーカーから製造を受託し、急成長していった。
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