現地生活に疲弊して休暇のたびに帰国する人から、どっぷりはまってインドに骨をうずめる気持ちになる人まで、インド駐在員の心境は実にさまざま。本誌が直接耳にした駐在員たちのホンネは─。
多様な民族を抱え、主な言語だけで20を超えるインド。カレー、ヨガ、カーストだけではわからないインドビジネスの奥深さを企業駐在員が熱く語る。
[参加者PROFILE]
A氏 デリー駐在。100坪の部屋に1人で住む
B氏 ベンガルール駐在。渋滞を避けほぼ在宅
C氏 デリー駐在。日本料理店の増加が嬉しい
D氏 ベンガルール駐在。インドコーヒー好き
A氏 デリーの空気の悪さには閉口するが、駐在する場所によりインドの見え方はかなり違ってくる。「14億人の市場」とマクロで捉えるより、地域ごとに見ることが大事。南と北では言語がまったく違い、英語を使わないと意思疎通すらできない。英語だって流暢に話せるのは人口の1割くらいだ。
B氏 高原地帯にあるベンガルールの気候は1年を通じて穏やか。北部ではタブーとされている牛肉を食べたり、酒を飲んだりすることにもオープンだ。ただし、インフラがひどくて交通渋滞は世界最悪レベルだと言われる。
本社とのコミュニケーションがストレス
C氏 インド駐在のストレスは生活環境よりも、本社とのコミュニケーションのほうが大きいかも。欧米や中国、東南アジアの事情は皆ある程度わかっているが、インドについては基本的な知識もない。
D氏 中国では、本社からのノルマを苦にして自殺する日本人駐在員が結構いる。まだインドではほとんど聞かないが、本社からの期待がむやみに高まると今後そういうリスクも出てきそうだ。
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