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JR東日本、会社発足以来の大きな組織改革の裏側で渦巻く社員の「戸惑い」と「不安」

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かつてないほどの大改革に乗り出すJR東日本だが、矢継ぎ早の変革に対して戸惑う社員は少なくない(記者撮影)

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1987年4月の国鉄分割民営化から約40年。JR各社は事業、組織などさまざまな面で激変期を迎えている。国内最大の鉄道会社であるJR東日本は、かつてないほどの大改革に乗り出している。急速な変化に対して、現場の社員はどのように感じているのか。組織の最前線を追った。

「組織再編のペースがあまりにも異常だ。多くの現場社員が違和感を持っている」ーー。新潟エリアに勤務するJR東日本の社員はこう語る。

国内最大の鉄道会社であるJR東日本は、かつてないほどの大改革に乗り出す。国鉄時代から続く硬直した組織を刷新し、新たなグループ経営ビジョン「勇翔2034」のもとで飛躍的な成長を図ろうというのだ。

しかし、急速な変化の裏側では、現場社員の間に「不安」と「期待」が入り混じった複雑な感情が渦巻いている。

会社発足以来の大きな組織改革

JR東日本は今年5月、国鉄時代に由来する都県を行政単位としたエリアの区分と、「本社-本部・支社-現場」による3層構造の体制を見直すことを公表した。これまでの「2本部10支社」をなくし、「本社」と第一線の現場である「事業本部」による2層構造へと刷新する。事業本部は36のエリアに再編する。この新しい組織形態は2026年7月に発足する。

JR東日本の組織図のイメージ

JR東日本の幹部は、この組織改革を「会社が発足して以来の大改革」と位置づける。国鉄由来の縦割りで硬直化した組織を、顧客の需要に細かく対応するボトムアップ型の柔軟な組織に変える構えだ。JR東日本の喜勢陽一社長は「お客様のご利用状況や地域の特性に合わせて組織を再編し、地域に密着した事業を推進していく」と強調する。

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