第1回 御用邸の町「葉山」の豪奢ホテルに住民が憤激
第2回 葉山町「いわく付きの場所」でホテル開発の手口
第3回 葉山町ホテル開発許可に向けた設計会社の口車
第4回 葉山町からホテル開発許可を得るための"秘策"(本記事)
「当初、葉山の土地の道路の曲がり角に近い一角を45㎝角ほど売ってもらえないかとの相談が(姉に)あり、断っています」
トゥモローランドが葉山町の森戸海岸沿いの一等地に計画した高級リゾートホテル「Casa CABaN HAYAMA」の建設をめぐり、現在は埼玉県に暮らす葉山町出身の女性Yさんは2023年9月29日、こんな陳述書を建設反対派住民側の代理人弁護士に提出している。
Yさんの実家は、大手画廊・日動画廊(東京都中央区)が葉山町堀内字葉山に所有する邸宅の、狭い町道を挟んだ向かい側に所在しており、ブロック塀が立っている。この塀に沿って左方向に曲がり始める町道は、向かいの日動画廊所有地の入り口前からクランク状になる。日動画廊所有地の左側に立つ石積みの塀の門柱角と、Yさんの実家のブロック塀の角とを直線で結んだ距離は実測値で3.79m。都市計画法に基づく道路幅の規定の4mを下回るため、ここに敷地面積1000㎡以上の建物を建てようとしても、神奈川県の開発許可を得ることは難しい。

双方に接触したトゥモローランド
もともと森戸海岸沿いの約997㎡の土地でビーチラウンジ(カフェ)「CABaN TOMORROWLAND」を営んでいたトゥモローランド。遅くとも18年前半までにはここにホテルを建てると判断して、業界第5位の久米設計(東京都江東区)にその設計を依頼した。両者が同年11月にホテル敷地と周辺の町道の計測結果を検討した際も、課題とされたのは前述した箇所の拡幅だったようだ。近隣住民が話す。
「あそこを幅4m以上に拡幅しようと思えば、Yさんの実家の所有者である母親のUさんと日動画廊の双方、またはその一方と交渉して、塀が立つ場所を一部買い取った後、塀を壊してセットバック(後退)させるのが一般的なやり方。トゥモローランドは当初、日動画廊とUさんの双方と接触していたようです」




















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