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帝人、東レ・・・繊維大手がリサイクル推進に取り組む切実事情/EUエコデザイン規則、規制対応迫る

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帝人フロンティアの平田恭成社長(写真:帝人フロンティア)

繊維大手・帝人フロンティアはじめ、繊維業界がリサイクル拡大の仕組みづくりを急いでいる。目前に迫るEU(欧州連合)の規制への対応が迫られており、取り組みが遅れれば欧州市場から駆逐されてしまう経営リスクすら抱える。国も先がけて公共調達で需要創出を図るなどの施策で後押しし、国際競争力の維持へ挑戦する。

繊維製品のリサイクル拡大を目指し、帝人フロンティアなど6者は2025年10月、コンソーシアム「Consortium for Fiber to Fiber(CFT2)」を共同で立ち上げたと発表した。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の推進事業の採択を受け、6者で協力して取り組みを進める。

最大の目的は、不要になった繊維製品から繊維製品への再資源化(繊維to繊維リサイクル)の仕組み構築だ。立ち上げメンバーには音頭をとった帝人フロンティアのほか東レ、日清紡テキスタイル、倉敷紡績、日本毛織、公益財団法人地球環境産業技術研究機構が名を連ね、技術開発、実証で協力してリサイクルの拡大を目指していくとうたった。

24年の調査では、衣類の国内新規供給量は年間82万トン。77万トンが家庭に供給され、廃棄物として67万トンが排出された。うち7割の48万トンが再利用、再資源化されることなく、可燃・不燃ごみとして回収されている。処分のため大半が焼却、埋め立てされており、環境への負荷は無視できない。

技術の壁、リサイクル阻む

繊維製品のリサイクル拡大を阻んできたのは、技術的な課題だ。

帝人フロンティアが25年にまとめた資料では、衣服全体のうち2種以上の素材の複合によるものが73%。組成表示では100%としていても、裏地やファスナー、ボタンといった付属品で、厳密には単一素材にはなっていないことも多々ある。

現状のリサイクル技術は、合成繊維、天然繊維の別を問わず、単一素材での活用が前提となっている。古着の手作業による選別、付属品などを除く単一素材化に大きな手間が発生してしまい、企業がリサイクルを拡大するのはコストに見合っていない。当初から単一素材で生産すれば解決するが、その機運も高まっていない。

コンソーシアムが目指すのはこうした課題の克服で、AIを利用した選別の自動化、高速化を目指すほか、単一素材への安価な分離技術の確立を掲げる。不要品の収集から再資源化に至るまでの根本的なフローも検討を進める。

収集工程ではリユースショップなど、現状の6者より広範囲での連携も考えられる。具体的な企業が決まっているわけではないとしつつ、「将来的にほかの企業が加わることもありうる」(帝人フロンティア広報)と枠組み拡大の可能性も否定しない。DPP(デジタル・プロダクト・パスポート)への対応も東レが要件定義事務局を設置して検討を進めている。

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