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2026年に加速する「AI革命」で現実化する10のこと、短期的に実現される技術的な進展だけでなく予期せぬ衝撃的な変化についても解説

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ボストン・ダイナミクスのAIロボット「アトラス」。2026年1月6~9日に開催された「CES 2026」において参加者の注目を集めた。ブルーカラーの業務はこうしたAIロボットに置き換わっていく(写真:ボストン・ダイナミクスHPより)
世界は今、AI革命をはじめとするテクノロジーの激変期にあり、その潮流は政治・経済の構造そのものを変えつつある。そして、その最前線に位置するのが、シリコンバレーだ。本連載では、アメリカにおける政治・経済の深層と、ビジネスの未来を方向づける最新トレンドを、日本のリーダー層に向けて発信していく。

2026年は60年に一度の丙午(ひのえうま)。今年は、AIの覇権争いがいよいよ明確な勝者と敗者を生み出すことになりそうだ。AIが秘める変革の力を巧みに使いこなす企業や個人は一気に駆け抜け、ためらいを見せたりAI革命を軽視したりする者は、大きく後れをとるリスクにさらされる。

本連載では、アメリカにおける政治・経済の深層と、ビジネスの未来を方向づける最新トレンドを、日本のリーダー層に向けて発信していきます

年初にあたって、今後のAIの近未来像を明確に示す10の予測を取り上げてみたい。短期的に実現される技術的な進展だけでなく、予期せぬ衝撃的変化、いわゆる「ブラックスワン現象」も含めて解説していきたい。

読者諸氏が、戦略的な思考を深め、具体的な行動を起こすきっかけとなることを期待している。

1. 個人に最適化したAIアシスタントの登場

これから生まれるAIアシスタントは、小型の言語モデル(SLM)を搭載したデバイスとクラウドベースの高度な推論処理を融合することで、これまでにないパーソナライズ性とコンテキスト理解を備えた体験を提供するようになる。

アップルはプライバシー保護を重視したグーグルGemini搭載の新世代Siriを投入し、市場におけるAIアシスタントの革新を牽引する。グーグルは現在、アップルのiPhoneのデフォルト検索エンジンとしての地位を維持するため、アップルに年間200億ドルもの巨額の契約料を支払っている。

この戦略的パートナーシップをさらに深化させ、グーグルは近い将来、新たな投資を行い、アップル独自の安全性の高いプライベートクラウド内で稼働する「AI Siri」の知能基盤としてLLMを提供する可能性がある。一方、Androidユーザーは今後も、低価格な端末や無料サービスを享受する対価として、自らの個人情報を提供し続ける。

こうした流れを背景に、消費者の信頼感も年々向上。27年末までにはオンラインショッピングの約10%程度がAIアシスタントを通じて行われると筆者は予測する。

さらに30年までに、AIアシスタントは単なるタスク処理ツールを超え、ユーザー個人の行動履歴や深層的データを精緻に分析することで、高度なライフコーチとしての役割を果たすようになる。購買行動の最適化はもちろん、生産性向上、健康管理、ウェルビーイングの支援まで、包括的な生活の質向上を担う存在へと進化する。

ただし、パーソナライゼーションの深化は同時に、特に若年層におけるデジタルエコーチェンバー(意見の偏りを生む情報環境)のリスクを増大させる。アルゴリズムによるバイアスの強化や、個人の判断への影響力が高まることへの慎重な対応が求められるだろう。

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