2025年2月、著名なAI科学者アンドレイ・カーパシーは、AIを駆使してプログラムを開発するスタイルを「バイブ・コーディング」と名付けた。
これを受け日本のメディアは「バイブ・コーディング時代の到来」と熱狂的に報じ、プログラミング未経験者でも容易にソフトウェア開発や起業が可能になると騒ぎ立てた。しかし、現実はそれほど単純ではない。
近年、「大学を卒業すれば安定した就職と経済的繁栄が得られる」という常識があった。だがAI時代の到来とともに、この従来の成功モデルは急速に崩れつつある。アメリカでは、すでに多くのルーティン的なホワイトカラー業務がAIに置き換えられつつあり、工場や倉庫の労働者がロボットや自動化に仕事を奪われた現象は、いまやオフィスワーカーにも広がり始めているのだ。約半年ごとに生成AI(LLM)は急速に進化し、新たなモデルが登場するたびに雇用への影響も拡大している。
エヌビディアの独占状態を崩す動き
その好例がグーグルの最新LLM「Google Gemini(ジェミニ)3」だ。11月18日にリリースされたばかりのジェミニ3は、あらゆるAIベンチマークで首位を独占している。このモデルの特筆すべき点は、エヌビディアが独占的地位を保ってきたGPUではなく、グーグル独自の「TPU」(Tensor Processing Unit)半導体のみを用いて訓練されたことだ。
TPUの成功は、生成AIハードウェア市場におけるエヌビディアの事実上の独占状態を崩し始め、将来のAIインフラがグーグルや他社の特殊なチップと、エヌビディアのGPUとの混成型になることを示唆している。
ジェミニ3の性能向上は、重要な評価項目の多くでGPT-5.1を上回る評価を獲得し始め、OpenAIに対する強い警告となっているのだ。ジェミニの画像生成AI「Nano Banana Pro」はテキストデータから驚くほど優れたビジュアルを生成できる。ユーザー数もジェミニが現在6億5000万人に達し、チャットGPTの8億人に迫りつつある。遠くない将来、ジェミニがチャットGPTに追いつく可能性も十分考えられる状況だ。





















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