AIはトップコンサルタントの仕事を奪うまでになるか? すでにAIは「人間による直接的な操作」を離れて「自律的に行動する存在」になっている

6月8日、ロサンゼルスのダウンタウンでWaymo(ウェイモ)の自動運転タクシー3台が反トランプデモの標的となり、炎上する映像が世界中に配信された。

なぜ標的はイーロン・マスク氏のテスラではなく、ウェイモだったのか? それは、ウェイモの車両が多くの人々の仕事を奪うからだ。ウェイモは自動運転装置を搭載した20万ドル相当の高級ジャガーSUVで、ラグジュアリー、ロボティクス、そして巨大テック企業の象徴でもある。
人間の労働が機械に補完されるだけでなく、AIが完全に置き換える未来の象徴を示しているのだ。
急速に普及したウェイモ
我々は、AIが知識産業のみならず物理世界へと拡張し、現実を動かす「主体」となる新時代の入り口に立っている。今や自動車、ドローン、ロボット、戦闘機、防衛システムにまで「AIの頭脳」が搭載され、AIが人間の直接的な操作を離れ、自律的に判断し行動する存在になりつつある。
この最前線を走るのが、グーグルの親会社であるアルファベット傘下のウェイモだ。すでにサンフランシスコ、ロサンゼルス、オースティン、フェニックスで稼働し、週25万回の有料乗車を提供。売り上げ、市場シェアを大幅に伸ばし、走行データはAIの学習に活用され、サービスと技術の両面で指数関数的に進化を遂げている。2010年代初頭にUberがタクシー産業を壊滅させたように、今やウェイモが「新イノベーター」として交通インフラそのものを再定義しつつある。
2023年8月、ウェイモがサンフランシスコでサービスを開始した当時、Uberの市場シェアが66%、Lyftが34%で、2社が市場を二分していた。
しかし2025年4月、ウェイモはLyftを抜き、無人車両としては異例の速さで25%の市場シェアを獲得。わずか19カ月で業界構造を揺るがす存在となった。また、人間のドライバーから急速に仕事を奪いつつある。UberやLyftの運転手たちの収入は減少し、時給が60ドルから25ドルに落ち込む例も報告されている。
将来的にライドシェア運転は、職業として成り立たなくなるだろう。カリフォルニア州や大都市を中心に、数万人規模のブルーカラー労働者が職を失う恐れがある。
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