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AIブームでアメリカ大卒者の「長期失業」が増える現実。「人生でここまで気分がめいる経験をしたことはない」

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37歳のウィットマイヤー氏は、1年半も失業状態が続いている(写真:Jordan Gale/The New York Times)

ショーン・ウィットマイヤーは一見すると、就職市場で引く手あまたの人物だ。建築とプロダクトデザインの分野で10年以上の経験を持ち、素晴らしいコーディング能力と2つの修士号を有している。こうしたスキルがあれば、過去15年にわたりアメリカの経済成長を牽引してきたテクノロジーと建設という2つの業界で貴重な人材となるはずだ。

ところが、連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを始めた2023年以降、建設業界は勢いを失い、それとほぼ時を同じくして多くのテクノロジー企業も人員削減を開始した。

そうした事情もあって、37歳のウィットマイヤーは1年半も失業状態が続いている。不動産プロジェクト支援ソフトを開発する企業で事業開発を担当していたが、その職を失って以降、再就職できずにいるのだ。

収入を得たい一心でインターン並みの職にも応募しているが、毎回「(能力、職歴、学歴などの)資格が過剰だ」と言われて不採用に終わる。「近所の小さなボードゲーム店で働くことすらできない」という。

「前例がない」長期失業率の悪化

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