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オラクルのラリー・エリソンがトランプ政権下で「メディア王」に変身。TikTokのアメリカ事業に出資、パラマウント買収に続いてワーナーも…

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オラクルは、新たに設立されるアメリカ版ティックトックに出資する企業の1つとなる(写真:Ore Huiying/The New York Times)

2024年に80代に突入したラリー・エリソン。その派手なライフスタイルは鳴りを潜めたかに見えた。スリル満点のヨットレースや太平洋上での模擬空中戦に興じることも減り、今後は自身の功績を確固たるものにするための慈善活動に力を入れていく。そんな未来が約束されているはずだった。ソフトウェア業界の大御所も年を取る。

ところが、正真正銘の富豪たちの基準から見ても異例といえる新たな章が幕を開けた。エリソンは突如、メディア王になることを決意したのだ。その事業ポートフォリオと権力は、ハーストやピューリッツァーといった伝説的な先人たちをもしのぐ可能性を秘めている。

エリソンが共同で創業し、半世紀近く経った今なお実権を握るIT企業オラクルは、新たに設立されるアメリカ版ティックトックに出資する企業の1つとなる。ショート動画アプリのティックトックは、アメリカで1億7000万人のユーザーを抱える。エリソンはオラクル株の40%以上を所有し、最高技術責任者(CTO)を務めている。

CNNを傘下に持つワーナーを買収へ

アメリカ版ティックトックには、具体的な出資比率や経営陣など、まだ不明な点が多い。ほぼ唯一確実といえるのは、このアプリがドナルド・トランプ大統領に好意的な人々によって支配されるだろうという点だけだ。フォックス・ニュースを所有するマードック家も「おそらく」出資者に加わるだろうと、大統領は9月21日に放送されたフォックス・ニュースのインタビューで述べた。

アメリカ議会は国家安全保障上の理由から、中国企業バイトダンスに対してティックトックのアメリカ事業を売却するよう命じていたが、その売却期限はトランプの大統領令によって延期されていた。

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