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投資が増えても効果が出ないAIの「生産性パラドックス」。AIプロジェクトをほぼ断念した企業が4割

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(画像:Antonio Sortino/The New York Times)

パソコンブームが全盛期を迎えた約40年前、「生産性パラドックス」と呼ばれる現象が浮上した。

生産性パラドックスとは、企業が新技術に巨額の投資を行っても、それに見合った労働生産性の向上がほとんど見られない状態を指す。

そして今、同じパラドックスが生成AI界隈で生じている。マッキンゼー・アンド・カンパニーの最近の調査によると、企業の10社中8社近くが生成AIを利用しているが、「利益に目立った影響はない」と報告した会社も、それと同じくらいの比率に上っている。

AI技術はChatGPTなどのチャットボットを牽引役に急成長。大手テック企業と強大な資金力を備えたスタートアップによる高額な開発競争に火がつき、バックオフィスの会計業務から顧客サービスに至るまで、あらゆる業務に革新がもたらされるという期待が盛り上がった。

しかし、テック業界以外の企業は恩恵面で後れを取っており、話をでっち上げるチャットボットの厄介な傾向など、さまざまな問題に悩まされている。

「最低の時期」は来年訪れる

こうした状況が意味するのは、企業は他社に後れを取らないために多額の投資を迫られる一方で、この技術が経済全体に利益をもたらすまでには何年もかかる可能性があるということだ。

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