未開発の鉄鉱山としては世界最大級の規模を持つ西アフリカ・ギニアの「シマンドゥ鉱山」が、いよいよ鉄鉱石の出荷を開始した。
11月11日、ギニア西南部のモレバヤ港でシマンドゥ・プロジェクトの操業開始式典が開催され、ギニアのママディ・ドゥンブヤ暫定大統領とともに、中国の習近平国家主席の特使として劉国中・副首相が出席した。
また、事業主体の企業コンソーシアムからは中国宝武鋼鉄集団(宝武鋼鉄)の胡望明・董事長(会長に相当)、中国鋁業集団(チャイナルコ)の王石磊・総経理(社長に相当)、魏橋創業集団(魏橋集団)の張波・董事長、韋立国際集団(ウィニング・インターナショナル・グループ、WIG)の孫修順・董事長、リオティントのドミニク・バートン会長などが顔をそろえ、この歴史的瞬間をともに祝福した。
フル稼働すれば年産1億2000万トン
シマンドゥ鉱山はギニア東南部の奥地にあり、確認埋蔵量(訳注:技術的・経済的に採掘可能な埋蔵量)は約44億トン。鉱石の鉄含有率は平均65.5%を誇り、これに匹敵する品位の鉄鉱山は世界でもブラジルのカラジャス鉱山しかない。
将来のフル稼働時には、シマンドゥ鉱山の年間生産量は1億2000万トンに上る見込みだ。この量は2024年に海上輸送された全世界の鉄鉱石の約7.5%、(世界最大の鉄鋼生産国である)中国の鉄鉱石輸入量の約10%に相当する。同鉱山が鉄鉱石のグローバル市場の構図を一変させる「ゲームチェンジャー」と呼ばれるゆえんである。
シマンドゥ鉱山で採掘された鉄鉱石は、最初のロット約1万トンの搬出が10月中旬に始まった。これらの鉱石は、新たに建設された「トランスギニア鉄道」でモレバヤ港まで運ばれ、鉱石運搬用のバージ船(はしけ)に積み替えられた。
さらに、沖合に設置された浮体式プラットフォームで大型ばら積み船「ウィニング・ユース号」に再び積み替えられ、中国に向けて出港。アフリカ最南端の喜望峰、インド洋、マラッカ海峡、南シナ海を経由する総延長約2万キロメートルの航海を経て、約45日後に到着する予定だ。




















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