アフリカのギニアにある巨大鉄鉱山「シマンドゥ鉱山」。その開発プロジェクトが大きな節目を乗り越えた。
英豪資源大手のリオティント、中国の鉄鋼最大手の宝武鋼鉄集団などを含む企業コンソーシアムのメンバーおよびギニア政府が、2年半余りに及んだ困難な駆け引きを経て、最大の懸案だったインフラ建設の投資分担について合意に至ったのだ。
リオティントは7月16日、シマンドゥ鉱山のインフラ建設に着手するための条件がすべて整ったと発表した。その中には、ギニア政府および中国政府の監督当局からの許認可取得も含まれているという。
鉄道・港湾に莫大な先行投資
シマンドゥ鉱山はギニア南東部の内陸にあり、未開発の鉄鉱山としては世界最大級の規模を持つ。鉱石の鉄含有率は平均65.5%に上り、本格採掘が始まれば年間産出量は1億~1億5000万トンに達する見込みだ。これは全世界の産出量の5~7%に相当し、鉄鉱石のグローバル市場の構図を一変させる可能性を秘めている。
同鉱山の開発は、「シムファー」および「WCS(ウィニング・コンソーシアム・シマンドゥ)」という2つの企業コンソーシアムとギニア政府の共同事業として進められている。ステークホルダーの合意形成に長い時間を要したのは、採掘した鉱石を沿海部まで運ぶ鉄道や、それを世界に輸出するための港湾の建設に莫大な先行投資が必要だからだ。
今回の合意により、全長約536キロメートルに及ぶ鉄道本線および約16キロメートルの支線の建設をWCSが、約70キロメートルの支線の建設をシムファーが担当することになった。港湾に関しては、年間取扱能力6000万トンの積み替え港をシムファーが、同規模の鉱石はしけ用の港をWCSがそれぞれ建設する。これらのインフラ建設コストは、最終的に両コンソーシアムで折半する。
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