中国金属大手、南米のリチウム開発から突如撤退 青山控股集団、新エネルギー事業の前途に暗雲

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青山控股集団が撤退を決めたアルゼンチンのプロジェクトは、現地のリチウム抽出プラントが2024年7月に生産を開始したばかりだった(写真はエラメットのウェブサイトより)

中国のステンレス鋼大手の青山控股集団が、南米アルゼンチンのリチウム塩湖の資源開発プロジェクトから撤退することがわかった。10月23日、プロジェクトのパートナーであるフランスの鉱山会社エラメットが、青山集団が保有する49.9%の開発権益を6億9900万ドル(約1066億円)の現金で買い取ると発表した。

エラメットは、アルゼンチン北西部のサルタ州でリチウム塩湖の資源開発を手がけている。青山集団は2021年、3億7500万ドル(約572億円)を投じて現地開発会社の発行済み株式の49.9%をエラメットから取得。これは青山集団にとって初のリチウム採掘事業への参入だった。

フランス企業が買い戻し

その後、青山集団はエラメットと共同で現地にリチウム抽出プラントを建設し、2024年7月から(リチウムイオン電池の主原料である)炭酸リチウムの生産を開始した。その追加投資を含む青山集団の累積投資額は6億1900万ドル(約944億円)。それに対して、エラメットは約13%のプレミアムを乗せて権益を買い戻す格好だ。

エラメットの開示資料によれば、開発中のリチウム塩湖の総資源量は炭酸リチウム換算で約1500万トンに上る。リチウム抽出プラントは第1期の完成時点で年間2万4000トンの生産能力を持ち、将来は同7万5000トンへの拡大を目指している。

このプロジェクトからの撤退について、青山集団は理由を明らかにしていない。一方、エラメットは今回の取引が円満なものだと示唆すると同時に、青山集団とインドネシアで進めているニッケル鉱山の共同開発に引き続き注力すると強調した。

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