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P・ティールはなぜ「生け贄」を論じたのか? 正しいのは独占、資本主義と競争は対極にある/『ゼロ・トゥ・ワン』を読む(下)

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『ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか』ピーター・ティール、ブレイク・マスターズ 著
ピーター・ティール、ブレイク・マスターズ『ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか』瀧本哲史 序文、関 美和 訳/NHK出版

起業を目指す者にとって本書の言葉は示唆に富む。「最高のスタートアップは、究極よりも少しマイルドなカルトと言っていい」「CEOの給料が少なければ少ないほど、会社はうまくいく」。起業と無縁な者さえ、思わずうなずきたくなる。IT業界の傑出したベンチャー投資家が起業の秘訣を教えるビジネス書として、多くの人が手にするのは当然だ。

「模倣欲望論」

ビジネスに効く名著のエッセンスを識者がコンパクトに解説する。【原則土曜日更新】

ただ、本書の発想には独特の「哲学」がある。著者ピーター・ティールは「テックライト」と呼ばれる思想潮流のリーダー的存在だ。テックライトは、2016年の大統領選挙をきっかけに興隆したアメリカの新右派(ニューライト)の中の一派とされる。

ティールは導入部から独特の主張を繰り広げる。資本主義の基本は競争だと考えるのは誤りだ。競争は悪で、正しいのは独占である。これが本書の基調だ。

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