起業を目指す者にとって本書の言葉は示唆に富む。「最高のスタートアップは、究極よりも少しマイルドなカルトと言っていい」「CEOの給料が少なければ少ないほど、会社はうまくいく」。起業と無縁な者さえ、思わずうなずきたくなる。IT業界の傑出したベンチャー投資家が起業の秘訣を教えるビジネス書として、多くの人が手にするのは当然だ。
「模倣欲望論」
ただ、本書の発想には独特の「哲学」がある。著者ピーター・ティールは「テックライト」と呼ばれる思想潮流のリーダー的存在だ。テックライトは、2016年の大統領選挙をきっかけに興隆したアメリカの新右派(ニューライト)の中の一派とされる。
ティールは導入部から独特の主張を繰り広げる。資本主義の基本は競争だと考えるのは誤りだ。競争は悪で、正しいのは独占である。これが本書の基調だ。






















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