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ハリウッドを震撼させたバイトダンスの動画生成AI「シーダンス2.0」。オープンAIと手を組んだディズニーも非難

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(写真:Andrea Verdelli/Bloomberg)

トム・クルーズとブラッド・ピットが夕暮れ時に崩れかけの屋上で殴り合う——。わずか15秒のこの動画が、ハリウッドで瞬く間に怒りと大きな恐怖を巻き起こした。

広く出回っているこの動画は、アイルランド人映画監督ルアイリ・ロビンソンが、中国のIT企業バイトダンスの動画生成AI「Seedance(シーダンス)2.0」を使って作成したもの。迫真のカメラワークやアクション、キレのいい効果音、耳に残る音楽など、巨額の予算を投じたハリウッド映画さながらの演出要素が駆使されている。

2文からなるプロンプト(指示文)を入力してボタンをクリックするだけで、シーダンスは驚くほどリアルな映像を作り出した。「AIスロップ」と呼ばれることも多い、従来の粗悪なAI動画からの飛躍的な進歩だ。映像のあまりの説得力に、ハリウッドの主要な団体や企業からは即座に非難の声が上がった。

有力脚本家「背筋が凍る思い」

映画『デッドプール』で知られる脚本家のレット・リースは取材に対し、クルーズとピットの動画を見て「背筋が凍る思いがした」と語った。

「この業界で働き、キャリアと人生を捧げてきた私たち全員にとって、脅威としか言いようがない。あちこちで仕事が失われていくのが目に浮かぶようだ」

バイトダンスがシーダンス2.0をリリースしたのは2月中旬。それほど大きな反発を招かなかった旧バージョンの公開から、およそ2カ月後のことだ。

同社はプレスリリースで、アップデート版の「物理的な正確さ、リアルさ、扱いやすさ」をアピール。「プロ仕様のクリエイティブ用途」のニーズに適していると述べ、「制作プロセスはより自然で効率的になり、ユーザーは本物の『監督』のように自分の作品をコントロールできる」と続けた。

シーダンス2.0にはすぐさまユーザーが殺到し、コンテンツを次々と生成し始めた。『ゲーム・オブ・スローンズ』のもう1つのエンディングや、対立関係にあるラッパーのケンドリック・ラマーとドレイクがトーク番組『ザ・トゥナイト・ショー』で和解する動画、そしてホラー映画『ザ・リング』の怨霊サマラ・モーガンが古いテレビからはい出して猫をなでる動画などが、またたく間に拡散された。

ロビンソン監督も、ピットとクルーズがロボットと戦う動画や、ピットが剣を持つ「ゾンビ忍者」と素手で戦う動画などを追加で投稿している。

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