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「やらまいか精神」がベースに。浜松エリアのスタートアップ企業の共通項。「J-Startup CENTRAL」の多様性②

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夜の浜松駅前の風景。製造業が多い地域の特性を生かしたスタートアップが多い (撮影:Mpapa88/PIXTA)
生成AIの登場に加えて、金融引き締めによる資金調達の難しさ、人材獲得競争の激化……スタートアップをめぐる環境は大きく変化しています。連載「すごいベンチャー」では、そうしたスタートアップの最新情報を定期的に発信します。
今回は、経済産業省の中部経済産業局とCentral Japan Startup Ecosystem Consortiumが選定した「J-Startup CENTRAL」の特徴を解説します。

浜松市本社のJ-Startup CENTRALは10社

生成AIの登場に加えて、金融引き締めによる資金調達の難しさ、イグジット環境の変化など……スタートアップをめぐる状況は大きく変化している。週刊東洋経済の恒例特集「すごいベンチャー」を連載化。連載の一覧はこちら

前回の記事では、J-Startup CENTRALの選定スタートアップの一覧と、名古屋エリアの会社を中心に紹介したが、今回は浜松エリアに拠点を置くスタートアップを取り上げる。

J-Startup CENTRAL選定スタートアップは2025年3月時点で5期44社だが、静岡県浜松市に本社がある会社は10社ある。浜松市は、2007年から16年間市政を担った鈴木康友前市長がスタートアップ振興と創出に力を入れてきたため、ユニークなスタートアップが育っている。

浜松市がある遠州地方の方言に「やらまいか」という言葉がある。「やってみよう」とか「やってやろうじゃないか」という意味の言葉であるが、新しいことに挑戦する積極的な姿勢、遠州地方のひとびとの先取りの精神、リスクテイクな気質を表す言葉でもある。

遠州地方は、江戸時代から天竜川流域を中心に木材加工技術の職人が多く集まって産業化した地域で、それが明治期以降の楽器の製造や自動織機の開発製造につながる。豊田自動織機にはじまるトヨタ自動車グループのゆかりの地であり、同時に河合楽器製作所やヤマハなどの楽器メーカー、スズキやホンダのような輸送用機メーカー、浜松ホトニクスなどの光学メーカーといった製造業が多く勃興していった歴史がある。

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