〈老舗の葛藤〉1階は書店?カフェ?三省堂書店が悩みに悩んだ"神保町本店建て替え計画"の知られざる内幕。創業家社長「あえてこの戦い方を選んだ」
神経をすり減らしながら検討してきた
――直前まで登壇していた新本店の説明会では、建築費用高騰などのハードルを振り返りつつ、「時には判断が鈍ることがあった」「本来の理念を見失いそうになるたびに」といったフレーズが印象的でした。
予算とにらめっこして、金額面でいろいろと調整すると同時に、2026年の新学期という(開業時期の)締め切りもずらしたくなかった。神経をすり減らしながら、いろいろな設計変更も経て、何とか納得のいく形を目指してきた。
――再開業する本店の最大のアピールポイントは何でしょうか。
長谷川豪さんの特徴的な店舗内装だ。既存の業者は経験があり、仕事が進めやすいという面はあるが、前と同じ店舗になってしまう。新しいことにチャレンジする店になるので、お付き合いのなかったところを念頭に探していた。
まずは日本全国の有名な書店や図書館を見てもらい、勉強してもらった。長谷川さんと書店を回る中で、例えば斜めの書棚に「これが面白い」と食いつくなど、われわれとは視点がまったく違った。こういった食いつきが、今回の設計に生かされている。
ほかの書店では見たことのないような景色になるので、本に興味がない方にも来てもらいたい。




















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