大型書店の閉店が相次ぐ中国だが、地域密着型の新業態も広がる。背景には政治の方針も。
斬新な店舗デザイン重視で成長してきた中国の大型書店が転機を迎えている。政府の補助金や巨大ショッピングモールの急増などを背景に成長してきたが、新鮮味の低下や消費低迷で閉店が相次ぐ。書店業界はより地域に密着したコミュニティー型の新業態に活路を見いだそうとしている。
10月初旬、「中国で最も美しい書店」とも称された陝西省西安市の「蔦屋書店」が閉店した。同店は2021年3月オープン。店舗面積約3400平方メートルの大型店で、杭州、上海に次ぐ中国3号店だ。日本人デザイナーによる高級感ある内装が評判で、西安観光で必見のスポットにも数えられたが、わずか3年余りでの閉店となった。
また重慶市では9月中旬、ミラーを活用した壮麗な店舗デザインで知られた「鐘書閣」重慶店が営業を終了。同書店は全国に四十数店舗を展開する大手チェーンだが、2021年7月には「上海で最も美しい書店」と評判を呼んだ上海静安寺店をクローズしていた。
国の政策に翻弄される書店
さらに今年5月には福建省アモイ市の大型書店チェーン「十点書店」が同市内や湖北省武漢市、湖南省長沙市の大型店3店舗すべての順次閉鎖を発表。相次ぐ名物書店の閉店に、ネット上では書籍ファンの嘆きの声が広がった。
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