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〈老舗の葛藤〉1階は書店?カフェ?三省堂書店が悩みに悩んだ"神保町本店建て替え計画"の知られざる内幕。創業家社長「あえてこの戦い方を選んだ」

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――本に関心がない層の来客をいかに促すか、という点を意識されたと。

神保町本店の客層は、50~60代の男性がメインで、今後もベースは変わらないだろう。ただ、新しい客層・読者を育てていかないと、書店としての未来は描けない。

既存の客層と新しい客層の間で、店を開けてからも店舗作りには悩みつつ、チューニングしながら運営することになるだろう。

亀井崇雄(かめい・たかお)/大学卒業後、システムエンジニアを経て2005年に三省堂書店入社。複数のポストを歴任し、20年から現職。神保町ブックフェスティバル実行委員長など、神保町界隈(かいわい)の地域振興にも従事(撮影:今井康一)

――旧本店を閉店し、再開発する計画はいつ頃から考えていたのでしょうか。

コロナ禍よりも前から、計画は何年も練ってきた。出版物の売り上げがどんどん落ちていく中、建設から約40年のビルに対し、エレベーターやエスカレーターの取り換えなどで莫大な投資をするのか。オフィスの家賃収入なども得られるようなビルに建て替え、書店を長く続けられるスキームを作ることが、1つの解だった。

カフェはあえて1階に入れなかった

――ビル全体の収入は、どのようなバランスになりそうですか。

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