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日本に必要なのは「実質成長率」を引き上げる政策/政府の投資支出のあり方をどう考えるべきか

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(写真: K@zuTa/PIXTA)

「消費」と「投資」はともに総需要を構成する重要な要素だ。しかし、供給力や成長に対する影響の仕方は大きく異なる。

企業経営を考えると一目瞭然のことだ。例えば社内で使う紙類の購入は明らかに消費だ。これが企業に新たな成長性を与えることはほとんどないだろう。

これに対し、研究開発に使う試料などの購入は、不確実性はあるにせよ、その開発に成功すれば、将来の企業価値拡大に大きく寄与することになる。

政府支出はひとくくりに考えられてしまう

8人の経済学者が輪番でお届けする『週刊東洋経済』の看板コラム。【水曜日更新】

財政における政府支出には、実は、この消費支出と投資支出が混在している。しかし、財政の議論ではどうしても歳入(政府収入)と歳出(政府支出)の大小あるいはバランスという側面で語られがちだ。そのため、政府支出はひとくくりに考えられてしまう。また、景気刺激のための総需要拡大を考える場合も、やはり消費と投資の違いはあまり問題にならない。

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