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学生・若手起業家によるエリア外との交流・進出がカギ「岐阜発スタートアップ」 のポテンシャル

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名古屋大学との法人統合を機に、岐阜大学内に大学公認の「岐大起業部」が誕生した (写真:PIXSTAR/PIXTA)

数カ月にわたり、経済産業省やその他団体が運営する地域のスタートアップ支援プログラム「J-Startup地域版」の選定企業やエコシステムを順次紹介してきた。今回は番外編ということで、中京エリアの一角にある岐阜(美濃地方)のスタートアップを紹介したい。

名古屋大との法人統合で岐阜大に起業機運広がる

中小企業基盤整備機構が2025年8月に「大学『起業部』活動調査」の結果を公表した。それによるとアンケートに回答した89大学のうちおよそ半数の44の大学で起業部等の活動があり、 そのうち21大学は大学公認の起業部があるという。ここで取り上げる岐阜大学も大学公認の起業部(以下、岐阜大学の起業部のことを「岐大起業部」と呼称)があり、大学側が何らかの起業のサポートを実施している。

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20年4月に岐阜大学は、名古屋大学と法人統合し、「国立大学法人東海国立大学機構」を設立した。そのタイミングで岐大起業部も設立された。新型コロナ禍真っ只中での船出となったが、学生は活発に活動を行い、なかには実際に起業した学生も出てきた。

大学法人統合の影響があるかどうかは定かではないが、岐阜大学側からすると、大学法人が名古屋大学と一緒になったことで、大学法人経由で名古屋の情報が岐阜に入るようになり、名古屋や愛知を含めた東海エリアとのネットワークがより密になった。

岐大起業部の学生も「Tongali」という東海エリアの大学生向けアントレプレナー教育の支援プログラムのセミナーやビジネスコンテストに参加している。また、愛知県が運営する東海エリア最大級のスタートアップ支援施設STATION Aiの学生起業家育成プログラム「STAPS」のビジネスコンテストや起業支援プログラムに参加するなど積極的にエリア外で活動する「遠征」を繰り返している。

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