「ひふみ投信」のレオス、上場947日の苦闘と再出発/SBI系の運用会社がレオスを完全子会社化した真意
白か、黒か。投資信託「ひふみ」の運用で知られるレオス・キャピタルワークス(以下、レオス)の持ち株会社である、SBIレオスひふみの藤野英人会長兼社長は悩んでいた。株主総会で身につけるネクタイの色である。
おしゃれを楽しみたいわけではない。会社の運命をどう受け入れるか、藤野氏の心は揺れていた。「『白』なら結婚式、『黒』ならお葬式。2本ともつけて行こうかとも思った」。
11月20日夕刻、東京・日本橋の貸し会議室。約50人の株主が見守る中、臨時株主総会に登壇した藤野社長がつけていたのは白と黒を混ぜ合わせたような、薄い銀色のネクタイだった。
議案はただ1つ。SBI系の運用会社、SBIグローバルアセットマネジメント(SBIGAM)による吸収合併だ。「感情が追いつかない」と吐露する株主もいたが、予定通り可決された。
翌朝、東京駅を挟んで西側に位置するパレスホテル。今度はSBIGAMが臨時株主総会を開き、同様の議案を可決した。SBIレオスひふみの上場廃止と吸収合併、そしてSBIレオスひふみの消滅が決まった(レオスはSBIGAMの完全子会社として存続)。
「独立系」の旗印
レオスは藤野氏たちが2003年に創業した。リーマン・ショックで経営危機に陥るも、スポンサー企業による支援を得つつ、国内有数の独立系運用会社としてひふみシリーズの投信を1兆円規模に伸ばしてきた。
転機は2020年に訪れた。スポンサー企業から株式を譲り受けたSBIグループが、レオスを子会社に収めた。SBIグループ入りによって一度は独立系の旗を下ろしたかと思いきや、2023年4月に東証グロース市場に上場。SBIグループの持ち分は50%未満に下がった(24年4月に持ち株会社化し、SBIレオスひふみとして再上場)。




















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