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優等生ばかり採用、短期での成果、過干渉…イノベーション創出を阻む3つの「企業側の要因」

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イノベーションを生み出す力を阻んでいるのは会社組織の在り方かもしれない (写真:kouta/PIXTA)

イノベーションの創出を阻む「企業側の要因」とは何か。

大企業の新規事業開発支援に取り組んでいる中で、最近「教科書通りにやっているはずなのに、なかなかうまくいかない」「行き詰まっている」という声を聞くことが増えている。大企業には、有名な大学を卒業して、有名な企業に入った人たちがそろっているはずなのに、なぜ壁に突き当たってしまうのか。

生成AIの登場に加えて、資金調達の難しさ、イグジット環境の変化など……スタートアップをめぐる環境は大きく変化している。『週刊東洋経済』の恒例特集「すごいベンチャー」を連載化。連載の一覧はこちら

9月19日の配信「破壊的イノベーションを生み出すための『具体策』」で、イノベーションを生み出す方策として、慶應義塾大学先端生命科学研究所の初代所長であり、連続的に先進的なバイオベンチャーを生み出している冨田勝名誉教授のアプローチを紹介した。

今年の10月末に冨田教授と対談をする機会があり、「真のブレイクスルーを起こす条件とは」をテーマにディスカッションをした。そのときに話にあがったイノベーションを阻害する企業側の要因と、対応策を紹介していきたい。

正解のない取り組みに「優等生」は力を発揮しにくい

①優等生ばかり採用してしまう

1つ目の阻害要因は、「優等生ばかりを採用してしまう」ということだ。もちろん、企業にとって優等生が重要な戦力であることに疑いはない。優等生は、受験に際して覚えたことを間違えないように回答して高得点がとれるように、職場でも、取引先や上司の指示を正確に実行することができる。しかしながら、新規事業開発やイノベーション創出のような、正解のない取り組みの前では、その力を存分に発揮できるとは限らない。

それでは、どのような人材がイノベーションを生み出すのか。

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