AIによって多くの仕事が失われると言われる一方で、AIの普及によって新たな仕事も生まれている。
なかでもテック企業でいま注目を集めているのが、フォワード・デプロイド・エンジニア(FDE)という新しい職種だ。顧客の現場に“前線配備”され、課題発見から自社プロダクトの実装、運用までを担うエンジニアのことを指す。
求人件数が急増
オープンAIやコーヒアといった主要なAI企業がこのFDEの採用を急速に拡大している。求人サイトIndeedでは2025年1月から9月の間にFDE関連の月の求人件数が800%超増えたというデータもあるほど、いまシリコンバレーで最もホットな職種だ。
幅広い役割は営業でもシステムエンジニア(SE)でもコンサルでもない。ましてや客先に常駐してシステム開発を請け負うSIerとも異なる。また、自宅や自社オフィスでコードを書きプロダクト開発を担ってきた従来のエンジニア像とも対照的だ。
AI企業におけるFDEは、自社のAIプロダクトを顧客の現場で実装する役割を担う。顧客のオフィスや現場に入り込み、自ら業務を理解し、課題解決に取り組みながら、自社のAIプロダクトをカスタマイズしていく。そして、ビジネス価値が生まれるまで前線に立ち続ける。
その過程で得られた知見を、プロダクトそのものの開発に活かしていく。AI時代における最も現場に近いエンジニアであり、顧客とプロダクトをつなぐ結節点の役割を担う。



















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