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日立のものづくりトップ「低コストだけではダメ」 「他社や他国では絶対に作れない製品を持つ」

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日立製作所のものづくりのトップを直撃した。

日立製作所 執行役社長兼CEO 小島啓二氏
青木優和(あおき・まさかず)/日立製作所代表執行役 執行役副社長、日立産機システム取締役会長。1954年兵庫県生まれ。1977年大阪大学基礎工学部卒業後、日立製作所入社。1999年産業機器グループ生産統括本部汎用圧縮機部長。2012年日立産機システム取締役社長、2014年日立製作所執行役常務、2016年同専務を経て2017年から現職(撮影:今井康一)

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史上最大の赤字を機に聖域なき改革を徹底。グローバル、デジタル、ガバナンスの面で、もはや“伝統的日本企業”とは呼べないほどの変貌を遂げた日立製作所。
日本企業は日立から何を学ぶべきか。『週刊東洋経済』3月9日号の第1特集は「シン・日立に学べ」

本記事では、同社のものづくりのトップである青木優和副社長へのインタビューを有料会員限定でお届けする。
週刊東洋経済 2024年3/9号(シン・日立に学べ) [雑誌]
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――日本のものづくりはコストの引き下げが得意でも、付加価値を高めるための施策が不足しがちだと指摘されています。日立のものづくりではどうやって付加価値を高めていますか。

いいものをローコストで作るというのはものづくりの基本だ。だが、それだけでグローバルエクセレントカンパニーになれるわけではない。

大事なことはリカーリング(継続課金)だ。われわれで言えばエレベーターのビジネスが代表例だが、商品を売って終わりではない事業モデルづくりが重要だ。

エレベーターは人間を乗せているので、法令で保守が必要とされており、その対価としてフィーを受け取る。1カ月に1回だった検査員が現地で行う点検が、デジタルの活用で3カ月に1回になっている。

顧客との継続的な関係性があることで、どこでフィーをいただくかということをある程度自由に設計できるのが強みだ。このリカーリングビジネスのことを、中西宏明(元会長)さんは社会イノベーション事業と呼んでいた。

かつては事業構造改革に苦しんだ

――日立は複数の製品を組み合わせて提供するビジネスにも力を入れています。一方、製品ごとにものづくりの仕組みが異なり、組み合わせるのは大変そうに見えます。

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