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日立の実力③ 鉄道世界大手に大躍進の裏側と野望 売上高は1兆円以上、うち8割超を海外で稼ぐ

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国内大手から世界大手に。“キーマン”が探る鉄道事業の未来図。

英サウスヨークシャーにある車両保守基地内の様子
英サウスヨークシャーにある日立の車両保守基地。ここで高速車両の検査が行われている(写真:記者撮影)

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史上最大の赤字を機に聖域なき改革を徹底。グローバル、デジタル、ガバナンスの面で、もはや“伝統的日本企業”とは呼べないほどの変貌を遂げた日立製作所。
日本企業は日立から何を学ぶべきか。『週刊東洋経済』3月9日号の第1特集は「シン・日立に学べ」
週刊東洋経済 2024年3/9号(シン・日立に学べ) [雑誌]
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日立製作所の鉄道事業の成長が著しい。2022年度における売上高は7360億円。10年度の1502億円から12年で約5倍に増えた。

しかもフランスの防衛・航空宇宙メーカー、タレスから交通システム事業を買収することが確定的で、合算した売上高は1兆円超。東原敏昭会長は8年前の社長時代に「20年代の早い時期に売上高1兆円を目指す」と話していたが、ついに実現する。

国内同業との比較では川崎重工業の鉄道車両事業が売上高1319億円で2位、3位以下は300億〜500億円程度で、日立は頭一つ抜き出る。成長の原動力は海外。10年度は400億円に満たなかったが、今や売上高の8割超を稼ぐ。

分野別の売り上げは車両製造が6割、信号システムや保守ビジネスが4割。他社は国内向け車両製造が売り上げの大半を占めるので見ている景色が違う。むしろライバルは海外勢。日立は中国中車、仏アルストム、独シーメンスと並ぶ世界大手の一角を占める。

海外事業躍進の礎は英国

そんな日立もかつては国内の車両製造が鉄道事業の大半だった。だが、国内は新規路線の開業が少なく、既存路線を走る老朽車両の置き換え需要ばかり。成長機会は海外に求めるしかなかった。

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