「人材採用に行き詰まり、“NPO卒”の若者との接点を求める企業が増えている」
そう指摘するのは、東京・立川にある認定NPO法人・育て上げネットの工藤啓理事長だ。人口減少で15歳から39歳までの「若者」世代は減っているが、経済動向や社会状況、家庭の環境などにより孤立状態にある若者は横ばいを続けている。育て上げネットは、社会から孤立してしまった若者と、社会とをつなぐための多様なプログラムを提供し、毎年2000人ほどの若者から新規の相談を受けている。
工藤理事長によると、コロナ禍以降、人手不足を背景に、就労基礎訓練プログラムの「ジョブトレ」などでスキルを習得した“NPO卒”の若者を採用しようと相談に来る中小・中堅企業が増えている。
かつては若者の就職先を求めて育て上げネットが企業に相談に行ってもけんもほろろの対応をされることも多かったというが、今では毎月5、6社から求人の相談がある。
支援を必要とする若者が多様化
企業の採用意欲の高まりは、若者の就職先の選択肢の拡大にもつながっている。
15年ほど前、支援対象者の平均年齢は20代半ば~後半が中心だった。しかし最近では、中間所得層の家庭の疲弊を背景に、10代後半~20代前半の利用者が急増している。
育て上げネットは、高校と少年院での出張支援や、夜間に居場所を提供する「夜のユースセンター」などを通じ、就労支援の前段階から若者とつながる機会を積極的に増やしてきた。その結果、より若い支援者の増加は顕著になっている。
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