自らの船をコントロールできるほうが事業側にも望ましい
――石油化学事業をクラサスケミカルとして分離・独立させました。20%未満の出資を残すパーシャル・スピンオフ制度を選んだ理由も含めて狙いを教えてください。
レゾナック傘下では、石油化学事業に対して「減価償却費の範囲内に投資を抑え、それを超える営業キャッシュフローは半導体領域に投入する」というルールを課していた。しかし、独立すれば、クラサスとして創出したキャッシュフローを自らの判断で設備投資や株主還元に充てることができる。自らの船をコントロールできる形にするほうが事業側にとっても望ましいだろう。
クラサスの設立を決めた際、現場のメンバーを含めて「レゾナックに残りたい」という人はほとんどおらず、「独立して自分たちの足で頑張っていきたい」と前向きに捉えてくれた。
そもそも半導体投資のリスクを許容する株主と石油化学事業で安定的なキャッシュフローを期待する株主とはまったく異なる。このため、株主レベルで会社を分けることが最善だと判断した。全株を手放さずに20%未満保有のパーシャル・スピンオフにすることで従業員、地域社会、株主にとって「三方良し」になると考えている。
――石油化学事業は、特に足元で安価な中国製品との価格競争が激化しています。「足を引っ張る石油化学事業を切り捨てた」のではありませんか。
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