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刑務所に入るか長く身を隠す機会でもないと読み通すことは難しい──。村上春樹の小説『1Q84』の登場人物は、『失われた時を求めて』についてこのように語っている。確かにそうかもしれない。マドレーヌから記憶がよみがえる序盤のシーンが有名だが、全7篇、文庫で13巻もある。ここまで長大な小説を読破するのは大変そうだ。
けれど安心してほしい。プルースト研究者は、あらすじや解説を先に読んでも構わないと言う。第1巻から最終巻へ飛んでもよい。なぜなら、筋を知っても読んだことにはならないからだ。
では何が書かれており、何を読むべきか。まずは記憶である。
マドレーヌをきっかけに物語の扉が開いてゆく
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