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トランプが手を付ける建国依頼の脱法行為「国内に軍隊派遣」の重大問題、政敵を封じるために軍隊を利用することがどれだけマズイことか

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ドナルド・トランプ大統領とピート・ヘグセス国防長官(写真:ブルームバーグ)

約250年前に建国されて以来、アメリカは、その軍隊が自国の民主主義に対する脅威となったことが一度もないという、他に類を見ない幸運に恵まれてきた。

しかし、ドナルド・トランプ大統領が、軍隊、そして軍に従事する男女を、彼が「内なる敵」と表現する政敵に対して武器として利用しようとしているため、その状況は変わりつつある。

建国の父たちは「文民の権力から独立した軍隊」に憂慮

チェコ・プラハに本拠を置く国際的NPO「プロジェクト・シンジケート」は多くの有力者の論評・分析を配信しています。「グローバルアイ」では、主に同シンジケートのコラムの中から厳選して翻訳・配信しています。

少なくとも1867年の憲法危機以来、米軍がこのように党派争いのようなものに巻き込まれたことはなかった。

1867年当時、アンドルー・ジョンソン大統領と共和党が支配する議会は、復興をめぐって争っていた。米軍をアメリカ国内の都市に投入することで、トランプはアメリカの民主主義に明白かつ差し迫った危険をもたらした。

建国の父たちはこうした脅威を深く憂慮した。独立宣言書は英国王ジョージ3世に対する主要な訴えの一つとして「彼は軍隊を文民の権力から独立させ、かつそれより優位に立たせようとした」と記している。

建国の父たちは、軍服を着た同胞についても懸念を抱いていた。1775年にイギリス軍がボストンを包囲した際、マサチューセッツ湾植民地議会は「(たとえ同胞で構成されているとはいえ)軍隊が、彼らに物資を供給し、統制する民政権力のないままここに駐屯することには、われ々は戦慄を覚える」と宣言した。

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