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日立製作所が掲げるグローバル人材戦略のカギは「創業時の開拓者精神を取り戻す」――イタリア人人事担当役員が語る"報酬制度"の狙いとキャリア

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日立製作所がシンガポールで開いたタウンホールミーティングの様子。写真の前列中央に徳永俊昭社長とロレーナ・デッラジョヴァンナ氏など(写真:日立製作所)

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「残念ながら最近の日立には、あまり『開拓者精神』を感じられなくなっている。例えば年度予算を策定するとき、できるだけ低めに目標を設定しようとする傾向がある。年間業務計画を上回れば、いいボーナスがもらえるという発想が根強く残っている」

5月12日――。日立製作所の徳永俊昭社長は、従業員から「急速にデジタルフォメーションが進む時代で、創業時の開拓者精神を取り戻すことの重要性」について問われると、冒頭の厳しい言葉で回答した。この日は4月に策定した2027年度までの新事業計画などを説明するキックオフイベントで、世界中から幹部約360人が集まっていた。

4月に社長に就任したばかりの徳永氏にとって“デビュー戦”といえるようなタイミングだが、こうも叱咤した。「創業者精神を呼び起こすためにOS(基本ソフト)を再インストールすべきだ」。

執行役専務で最高人事責任者(CHRO)を務めるロレーナ・デッラジョヴァンナ氏も、冒頭の事業計画における人材戦略では「ここ十年の取り組みの延長で『開拓者精神を取り戻す』ことをやろうとしている」と語る。そのうえで「日立は買収を重ねて大きくなる中で、リスクを回避する傾向があった」と続ける。

日本でよくされる「質問」

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