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完全無欠に見えるシャア・アズナブルがなぜ負けたのか?生い立ちから描き、その理由を示したのが漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』だった

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安彦良和(やすひこ・よしかず)/漫画家、アニメ監督。1947年北海道生まれ。70年からアニメーターとして活躍。『機動戦士ガンダム』ではアニメーションディレクター、キャラクターデザインを担当。『ナムジ』『虹色のトロツキー』など漫画作品も多数 (撮影:梅谷秀司)
漫画家として、再び『機動戦士ガンダム』を描くことに。漫画家、アニメ監督の安彦良和氏の証言を3回に分けてお届けする。

『機動戦士ガンダム』随一の人気キャラとなったのは、主人公たちの敵方に当たるジオン公国のエースパイロット、シャアだった。

21世紀に入ってから25年ほど経過した。この四半世紀を振り返り、その間の主な出来事や経済社会現象について、当事者たちの声を掘り起こしていく

ただし、ジオン公国内の混乱は「偉大な父親が暗殺され、息子が復讐する」という単純な話ではなかったし、完全無欠に見えるシャアは実のところ未成熟な人間で、最終的にはアムロに負ける。つまりシャアが完璧じゃないことは、アムロへの敗北という形で、すでに証明されていたんだ。

アムロというのは、当時のアニメの主人公としては画期的なことに、あまりかっこよくない。性格はハツラツとしておらず身体能力もそう高くない。友達も多くない。そんな力足らずの主人公が、チャンバラ、肉弾戦でシャアという圧倒的な敵役に勝利したのが『機動戦士ガンダム』だった。

では、なぜ強いシャアが負けたのか。彼はどんな陰の部分を持っていたのか――。

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(オリジン)はシャアを生い立ちから描くことで、「なぜシャアが負けたのか」に説明をつけた。とくにシャアの幼さは父親というより、むしろ母親への思いに起因すると示している。

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