少数与党石破政権「続投を納得させることが必要」 政治アドバイザー・久米晃氏が語る政権の今後

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自民党で事務局長を努め、現在、選挙・政治アドバイザーとして活躍する久米晃氏に総選挙と今後について語ってもらった (撮影:今井康一)
10月27日投開票を迎えた衆議院選挙では自民党・公明党あわせて64議席を失う与党大惨敗となった。自民党は191議席の獲得で比較第1党を維持したものの、少数与党に転落した。石破政権は国民民主党との「部分連合」で国会運営を乗り切る構えだが、「いばらの道」は避けられない。今後の政界の見通しを、「選挙の神様」として与野党の議員から信頼を寄せられる選挙・政治アドバイザー久米晃氏が読み解いていく。
※本記事は2024年11月2日6:00まで無料で全文をご覧いただけます。それ以降は有料会員限定となります。

言い訳終始だと選挙は勝てない

――「政治と金」が焦点となった選挙ですが、結果をどう見ますか。

選挙前の共同通信の調査によれば、石破政権で自民党の支持率は37.7%に回復したのに、比例の投票先で「自民党に入れる」とする人は26.4%。明らかに歩留まりが悪い。これ一つ見ても、早期解散は打つべきではなかった。あまりに早い解散で、自民党も選挙公約のパンフレットが整わなかった。

本来は部会から資料を出してもらい、政務調査会で議論して公約をつくる。それをパンフレットにする。今回はそれもなかった。裏金問題を切り返すために、自民党が何を訴えたいのかもわからなかった。裏金問題の言い訳に終始していたら、選挙は絶対に勝てない。

いわゆる「2000万円問題」では森山裕幹事長の意向が働いたといわれるが、真相はわからない。仲間を当選させたいという情が働いたのだろう。しかし、これまでの努力が水泡に帰したと、地方議員が私のところにまで苦情を言ってきた。

続投を表明した石破茂総理 (撮影:尾形文繁)

――石破総理は続投を表明しました。

石破総理は「与党で過半数」を勝敗ラインと決めたわけで、明らかに敗北だ。小泉選対委員長だけが責任を取るというのはおかしい。(続投は)石破さんらしくないという声も多い。最低限、両院議員総会や代議士会をやって、きちんと総括、責任の所在を明らかにするべきだ。その結果、国会議員の多くが仕方ないとなれば続投もありうるが、そこの部分も欠けているのではないか。

――野党の躍進についてはどう見ますか。

国民民主党は票を伸ばしたが、立憲民主党は思ったより少なかった。マスコミ各社は立憲民主党の議席を180議席近くで予想していたが、148議席にとどまった。背景には都知事選挙でも見られた既成政党への不信感があると思う。国民民主党は既成政党というより中間政党とみられた。

一方、自民党は保守的無党派層の集まりという側面もある。何が何でも自民党というのは支持層の6~7割しかいない。実際、今回の選挙では自民党支持層の3~4割が無党派層化して非自民に流れている。

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