有料会員限定

「勝敗ラインの“与党過半数維持”は微妙な情勢」。迫る参議院選挙。1989年の自民党大敗が示唆する石破政権の命運

✎ 1 ✎ 2
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
1989年の参議院選挙ではスキャンダル禍で自民党が惨敗する一方、「マドンナ旋風」で社会党が大勝した (写真:Kaku Kurita/アフロ)
少数与党のうえ、支持率低迷が続く石破政権。2025年の政局はどう動くのか――。自民党の「今」を探ると、常に過去からの因縁が浮かんでくる。選挙の神様、久米晃が自民党政権の命運をその裏面史から読み解いていく。
2025年の政局はどう動くのか――。選挙の神様、久米晃が自民党政権の命運をその裏面史から読み解いていく

参議院選挙が今年夏に迫ってきた。尾をひく「政治とカネ」の問題に加え、物価高の影響も大きく、自民党の苦戦が予想される。自民党が大敗した参院選といえば、1989年の選挙が記憶に鮮明だ。

昭和から平成への代替わりにあたるこの年は、リクルート事件によって国民から厳しい批判を受けるなか、消費税の導入や農産物の輸入自由化、さらに宇野宗佑首相の女性スキャンダルも重なった。かたや最大野党の社会党は土井たか子委員長のもと女性候補を多数擁立し、「マドンナ旋風」を巻き起こした。

1989年の参院選が今に示唆するものは何なのか、久米氏に聞いた。

「1人区で15議席」は微妙

―――2024年10月の衆議院選挙では与党過半数割れとなり、石破政権は綱渡りの国会運営が続いています。7月20日投開票とも言われる参議院選挙では、改選議席のうち50(欠員含む)以上を取り、与党で過半数(125議席)を維持できるかが焦点になります。

石破さん自身が前回参院選の貯金(非改選75議席)を含めて過半数が勝敗ラインだと言っている。比例代表で最低12は取るでしょう。13の複数区では1人は取るでしょうから13。公明党が10議席取るとすると、32ある1人区で自民党が15議席以上取らないといけない。取れますか、という話だ。

―――取れませんか。

自民党が悪い時でも群馬や栃木、北陸や岐阜、宮崎、熊本などで10議席は取っている。このご時世で、残り5議席を上積みできるのか。野党が分裂しているから、与党に有利な面もあるが、選挙が近づくと強そうな野党に票が集まる可能性がある。自公での過半数維持は微妙だと思う。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD