圧勝の高市政権/物価高抑制に防衛費増額…小泉、鳩山政権のような熱狂と失望を繰り返せば政策は停滞する可能性も

✎ 1〜 ✎ 28 ✎ 29 ✎ 30 ✎ 31
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
総選挙で圧倒的勝利を得たあとの2月9日、自民党許雄部で記者会見を行う高市早苗首相(写真:2026 Bloomberg Finance LP)

高市早苗首相(自民党総裁)が「政権信任選挙」と位置づけた総選挙が2026年2月8日に投開票され、自民党は単独で3分の2を上回る316議席を獲得。歴史的な大勝となった。立憲民主党と公明党が政権交代を目指して結成した中道改革連合は公示前議席(167)の3分の1にも届かない49議席と惨敗した。

高市首相は物価高対策や経済再生に取り組むが、具体的な成果を上げられる見通しは立たない。かつての小泉純一郎政権(2001~06年)や鳩山由紀夫政権(09~10年)では、熱狂の総選挙で誕生した政権が国民の期待に応えきれずに失望を生み、政治が混乱して政策が停滞した。そんな事態が繰り返されるのではないか。40年間、日本政治をウォッチしてきた者として、この繰り返しが政治をさらに劣化させ、政策が停滞することを危惧する。

明確な内容がない「積極財政」

高市氏は選挙期間中の遊説などで、これまでの自民党政権の政策を転換すると強調。緊縮型の政策から「責任ある積極財政」に踏み出すという。しかし、最近の自民党政権が「緊縮財政」だったとはいえず、「積極財政」の内容も明確ではない。

食料品の消費税を2年間非課税とすることについては、自民党と日本維新の会との連立合意で「検討を加速する」とされているが、高市首相は実施時期や財源などを示していない。政策の具体的な内容を示さないことが、むしろ高市氏への漠然とした期待感を高めた。

イギリスの『ロンドン・タイムズ』紙が高市氏の手法について「Speaking Clearly Saying Nothing(はっきり話すが、何も言っていない)」と評したのは、言い得て妙であった。それでも、高市氏の演説会場では「初の女性首相を応援したい」「頑張っている姿が印象的」と応援する声があふれた。

次ページ圧倒的多数を得た政権の今後は?
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事