旭化成、独社の大型買収で「製薬」に注力、「スペシャリティファーマ」への加速と自信見せるM&Aでの目利き力
総合化学大手の旭化成が2月26日、ドイツの医薬品開発企業アイキュリスを買収すると発表した。同社の獲得を通じ、医薬品事業のさらなる強化を狙う。幅広い事業を手がける旭化成だが、目下、製薬会社としての性格を強めている。
工藤社長「自信を持って決定した」
「当社の事業戦略に合致した企業。ニーズにぴったりと合う」。同日行われた会見で、工藤幸四郎社長は胸を張った。
旭化成はアイキュリスの全株式の取得で合意し、2026年4月~6月中の買収完了を目指す。買収費用は約780万ユーロ(2月25日為替レートで約1431億円)になる見込みだ。
旭化成は医薬を含むヘルスケア領域で、26年3月期見通しでは823億円の営業利益を、30年度には1500億円に拡大させることを掲げている。25年に発表した3カ年の中期経営計画では、「M&A等の成長投資を継続的に推進」すると明記し、買収に意欲的な姿勢を見せた。
20年には腎移植患者向けの免疫抑制剤に強いアメリカの製薬会社ベロキシスを1432億円で買収。24年にも腎疾患薬を持つスウェーデンのカリディタスを1739億円で買収して傘下に収めている。
カリディタス買収後にも追加のM&Aに前向きな姿勢は崩さず、アイキュリスはこれらに続く形となった。アイキュリス側の都合で買収時期は想定より早まったというが、工藤社長は「自信を持って今回の買収を決定した」と語る。「持続的な成長を満たせる基盤が整った」と評価し、医薬事業の拡大へ期待を込めた。
ヘーベルハウス、サランラップも
旭化成と言えば化学大手というイメージこそあるが、事業内容が具体的に世間に浸透しているとは言いがたい。BtoB領域が強い企業の宿命だが、同社の製品といえば「サランラップ」しか知らないという人も珍しくはない。
旭化成は現在、住宅、マテリアル、そしてヘルスケアの3領域で事業を整理している。住宅は「ヘーベルハウス」のブランドで知られる国内や北米での住宅事業など。マテリアルは電子材料や半導体、基礎化学品に加え、人工皮革やラップなど広範囲を含む。
そして現状でもっとも成長に期待をかけるのが医薬を含むヘルスケア領域で、今年1月の重点成長事業説明会資料では「成長を牽引する屋台骨のひとつとなる」と明記した。






















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