――ハメネイ師とその側近はすでに殺害されましたが、トランプ大統領は攻撃の長期化と大規模化を宣言しています。当初はイランの体制転換を目標としていましたが、アメリカは今、何のために戦っているのでしょうか。
単に言えば、不明確だ。最終目標が変わり続けている。トランプ大統領は、体制転換から、イランのミサイルおよび核プログラムの無力化と中東地域における影響力の封じ込め、さらにはイランの一部勢力によるベネズエラ型の体制移行などあらゆる可能性を示唆している。
つまりこれは、目的を探している戦争と言える。現実には、アメリカは明確な戦略も、その後の計画も持たずに入り込んでいる。イランをさらに弱体化させることで、イスラエルの地域支配を確保できるという希望を持ちながら。
イランは多極的な構造を持つ
――イラン側はどうでしょうか。バエズさんはICGのポッドキャストで、「ハメネイ師は危険があるにもかかわらず最近は公の場に現れており、ある意味殉教を受け入れていた可能性がある」と話しています。だとすれば、今回のような攻撃に備えて、すでに後継体制を準備していたのでしょうか。
イランは昨年6月の「12日間戦争」以来、この瞬間に向けて準備を進めていた。最高指導者が標的にされることは予測されており、そのための緊急計画が整えられていた。
実際、ハメネイ師が殺害されてから数日が経った今も、統治の継続性は保たれており、体制はまだ持ちこたえている。これは、この体制がけっして1人のリーダーに依存するシステムではなかったことを示している。衝撃を吸収し耐え抜くために作られた、多極的な権力構造だったのだ。
現在の指導評議会は基本的に暫定的なもので、戦争が終わり専門家会議が次の指導者を選出するまでの場つなぎだ。この段階でイランが新しい指導者を任命する可能性は非常に低いだろう。新たな標的を生むことになるだけだからだ。
現実には、権力は今、国政と軍事の両面で長い経験を持つ2人の人物の手に渡っている。国家安全保障会議事務総長のアリ・ラリジャニと、国会議長のモハンマド・バーゲル・ガリバフだ。現時点では、トップに権力の空白は存在しない。






















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