中国は過去20年近く、輸入品を国産品で置き換えるためにさまざまな取り組みを進めてきた。アメリカに対する今回の禁輸措置は、そうした取り組みの最新事例といえる。
中国政府が先日、アメリカに対する重要鉱物4種類の輸出禁止を発表し、中国と取引のある多国籍企業の間で警戒感が高まっている。懸念の中心にあるのが、中国から調達した鉱物をアメリカ企業へ移転する外国企業に対しても禁輸措置が拡大適用される条項だ。
今回の措置は、中国政府が輸出規制に、いわゆる「積み替え」に関する広範な禁止事項を盛り込んだ初の事例となる。これは、アメリカ次期大統領ドナルド・トランプが公約する厳しい貿易政策に対して、やり返す用意があることを明白に示すものでもある。
中国はこれまで、外国企業による積み替えに同様の制限を課そうとする他国、中でもアメリカの試みを非難してきた。
二者択一を迫られる世界のサプライチェーン
中国政府による今回の禁輸措置は、特定の素材や部品を使った製品をアメリカ市場のみに供給するか、あるいは中国市場のみに供給するかの二者択一を企業に迫り、グローバルなサプライチェーンをさらに分断する恐れがある。
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