広州、浙江、上海…トランプ関税で新たな活路を開拓する中国5大ビジネス都市を直撃取材!後編「脱アメリカを進め内需の拡大を促進する」

義烏商人は関税など気にしない
「中国人は商売するにあたっていろいろな方法を用います。アメリカが私たちにもうけさせないと言うのであれば別のところに行くだけです」
実は、この状況は多くの輸出主体だった業者の現在の姿でもある。世界最大の小売卸市場を有する浙江義烏が典型例だろう。
杭州市から車で約1時間半の所にある義烏。中国の輸出動向を知るうえで指標となる都市とされている。アメリカのプレッシャーを最も受けそうな印象があるが、実際はどうなのか行ってみた。
景気動向を知るうえで指標となる卸売市場の「義烏国際商貿城」に来た。季節用品、ぬいぐるみ、人工観葉植物、衣服とスポーツ用品、金物工具と小型家電等20、30店舗を見学。そして皆一様に、
「うちの主力マーケットにアメリカはないよ」
と言うのだった。
依然としてアメリカに輸出している数店舗があったが、それでも例えばクリスマス用品を扱っている業者は、アメリカ向けは1割ほど。もう1つはぬいぐるみを扱っている業者で、メイン市場は中東、アフリカ、ラテンアメリカと東南アジアであり、アメリカの割合は非常に低いとのことだった。
極度に悪化した現在の米中の雰囲気では、中国企業は「政治的に正しい」、つまり当局の考えと一致した発言や行動をしなければならない状況だろう。
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