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広州、浙江、上海…トランプ関税で新たな活路を開拓する中国5大ビジネス都市を直撃取材!後編「脱アメリカを進め内需の拡大を促進する」

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トランプ関税に揺れる中国だが、一方で耐性もできていたようだ(写真・今周刊)
2025年4月3日に発表されたアメリカの相互関税は世界に大きなショックを与えた。世界第2位の経済規模を誇る中国では、数度行われたトランプ大統領からの「報復攻撃」により、事実上アメリカとは「全面的デカップリング」の状況にある。
史上前例のない極限的関税措置は、中国経済にどのような影響を及ぼしているのか。
輸出に重きを置く多くの中小企業は、この状況に対しどのように対応しようとしているのか。
南部の広州、佛山、浙江の義烏と杭州、そして上海で取材を決行。2回にわたって、世紀の関税戦争下の中国経済を読み解くその2回目。
前編「トランプ関税・広州「SHEIN村」で起きている異変」はこちら

義烏商人は関税など気にしない

「中国人は商売するにあたっていろいろな方法を用います。アメリカが私たちにもうけさせないと言うのであれば別のところに行くだけです」

実は、この状況は多くの輸出主体だった業者の現在の姿でもある。世界最大の小売卸市場を有する浙江義烏が典型例だろう。

杭州市から車で約1時間半の所にある義烏。中国の輸出動向を知るうえで指標となる都市とされている。アメリカのプレッシャーを最も受けそうな印象があるが、実際はどうなのか行ってみた。

景気動向を知るうえで指標となる卸売市場の「義烏国際商貿城」に来た。季節用品、ぬいぐるみ、人工観葉植物、衣服とスポーツ用品、金物工具と小型家電等20、30店舗を見学。そして皆一様に、

「うちの主力マーケットにアメリカはないよ」

と言うのだった。

依然としてアメリカに輸出している数店舗があったが、それでも例えばクリスマス用品を扱っている業者は、アメリカ向けは1割ほど。もう1つはぬいぐるみを扱っている業者で、メイン市場は中東、アフリカ、ラテンアメリカと東南アジアであり、アメリカの割合は非常に低いとのことだった。

極度に悪化した現在の米中の雰囲気では、中国企業は「政治的に正しい」、つまり当局の考えと一致した発言や行動をしなければならない状況だろう。

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