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帰国禁止に「スパイ罪」、中国当局が世界に広げる不安。アステラス製薬の幹部だけではない

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中国当局は、アメリカの金融大手ウェルズ・ファーゴの行員の帰国を禁じた(写真:Gabby Jones/The New York Times)

海外からさらなる投資を呼び込もうとしている中国だが、外国企業の幹部社員やアメリカ政府職員に対し、このところ立て続けにとった行動で恐怖を広げている。中国当局は、アメリカの金融大手ウェルズ・ファーゴの行員の帰国を禁じたほか、日本企業の幹部社員にスパイ罪で懲役3年超の実刑判決を言い渡している。

これら事案の詳細はほとんど明らかにされていないが、中国の強大な治安組織と不透明な司法制度の存在をあらためて思い起こさせるものであり、企業幹部やビジネス団体、外国政府の間では、中国への渡航を危険視する動きが強まっている。

さらに、2人の消息筋によると、私用で中国に渡航したアメリカ政府職員が何週間も出国できない状況に置かれているという別の事案も存在する。アメリカの政府職員が中国から出国できない状態になっていることは、ワシントン・ポストが一足先に報じていた。

出国禁止の理由は明らかにされないまま

中国はいずれの件についても、ほとんど詳細を明らかにしていない。在上海アメリカ商工会議所の総裁エリック・チャンは、外国の経済界を安心させるため、ウェルズ・ファーゴの事案について、もっと情報を開示するよう求めた。

同行は幹部社員の中国への渡航を停止。日本企業の多くはすでに中国への渡航を制限し、駐在する管理職の家族の帰国を進めている。

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