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神津里季生氏(連合前会長)の証言 第2回「長時間残業の規制を『100時間未満』とした理由」

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安倍政権で進んだ働き方改革。ところが最近では一部の政党や経営者から逆行する発言が飛び出す。こうした動きは憂慮すべきことだ。

連合前会長の神津里季生氏
神津里季生(こうづ・りきお)/連合前会長。1956年生まれ。79年東京大学教養学部卒業、新日本製鉄(現日本製鉄)に入社。基幹労連中央執行委員長などを経て、2013年連合事務局長、15年に会長就任。21年会長を退任。現在は全労済協会理事長。(撮影:梅谷秀司)
「残業時間の上限規制」「同一労働同一賃金」という重要政策が安倍政権で一気に進んだ。当時の労働界トップ、神津里季生氏の証言を4回に分けてお届けする。
21世紀に入ってから25年ほど経過した。この四半世紀を振り返り、その間の主な出来事や経済社会現象について、当事者たちの声を掘り起こしていく

働き方改革の議論で、長年の課題だった日本人の「働きすぎ」にスポットが当たった。労働基準法で初めて残業時間の上限が規制された。これは大いに歓迎しているが、特例で、「繁忙期は月100時間までの残業が可能」になったのはつらいことだ。

「過労死ライン」とされている月100時間残業などという数字は口にするのもはばかられる。せめて100時間「以内」ではなく「未満」とするよう、政府と交渉し実現した。しかし「過労死家族の会」の皆さんには最後までご納得いただけなかった。残念だったが、家族会としては当然の反応だったと今は思っている。

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