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中国レアアース輸出戦略に身構える自動車業界。自動車工業会内でひそかに立ち上がった対策委員会/パナソニック&ダイキンの戦略は?

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ホンダの三部敏宏社長
モーターショーで報道陣に説明するホンダの三部敏宏社長(写真:編集部撮影)

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「中国はいったい何を考えているのか。このままでは産業全体が止まってしまう」

10月30日の米中首脳会談の前、ある大手自動車部品メーカーの首脳はいら立ちを隠さなかった。会談を経て、中国によるレアアース輸出規制の強化は1年延期となったが、規制の流れは当面変わりそうにない。日本経済の要である自動車業界が翻弄されている。

レアアースはワイパーモーターやサイドミラー、ブレーキシステムなど幅広い自動車部品に使用されている。特にレアアース磁石は使用されている部品数が多い。

フォードの工場が稼働停止に

4月、中国政府がトランプ大統領による高関税への報復措置としてレアアース7元素を輸出規制すると、世界中の自動車業界が揺れた。米フォード・モーターは5月末、米国内で生産しているSUV(スポーツ用多目的車)の工場が一時、稼働停止に追い込まれた。

フォード側は「輸出規制による行政手続きが増えている」と説明した。輸出承認の取得に時間がかかり、調達が遅延した。それで自動車の部品や完成車の生産にも影響が出たというわけだ。

フォード以外にも「南米などで一部の部品メーカーの工場が停止したようだ」(デンソー幹部)といい、ヨーロッパでも一部の部品工場が稼働停止を余儀なくされたという。日系ではスズキが5月〜6月にかけて国内一部車種で生産停止したが、これもレアアース不足が要因の1つとみられる。

こうした状況に対して日米欧の自動車業界は軒並み警鐘を鳴らすコメントを発している。

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