「武器」化されたレアアース、日本の産業界は耐えられるか。サプライチェーンを牛耳った中国

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
山信金属工業の山田洋社長
余った在庫を前に肩を落とす山信金属工業の山田洋社長(写真:編集部撮影)
週刊東洋経済 2025年11/15号(レアアースショック)[雑誌]
『週刊東洋経済 2025年11/15号(レアアースショック)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら

アメリカと中国の対立は、10月30日のトランプ大統領と習近平国家主席の会談を経て緊張状態からは脱した。11月1日には米ホワイトハウスが、中国が発動してきたレアアース輸出規制について「中国側が事実上撤廃する」と公表した。

「ひとまず、ほっとした」

胸をなで下ろすのはマグネット応用機器の専門メーカー、山信金属工業(東京都港区)の山田洋社長だ。同社は中国から輸入したネオジム磁石(レアアース磁石)を産業用に組み上げ、自動車部品メーカーなどに納品する事業を数十年にわたって展開してきた。だが、この半年は米中対立に翻弄された。

輸出量は乱高下

「恐れ入りますが、8/4現時点で在庫0個です」。レアアース商社からこんな通知が来たのは8月のことだった。4月に中国が輸出規制を発表すると、山信金属にはネオジム磁石が入らなくなった。

レアアース商社から「在庫ゼロ」を告げられた(写真:編集部撮影)

中国海関総署によると中国の「レアアースおよび精製品」と「レアアース磁石」の輸出量は4月以降に急減。とくに磁石は5月にかけて落ち込んだ。

次ページ政府は「備蓄」を推奨するが…
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事